30Nov
トランプが大統領に選ばれたのは、私にとって、大きな驚きでした。開票前夜にクリントン優位を確認して、翌日、それが翻る様を見て、私の知らなかった米国都市部以外の人々の心の動きを垣間見た気がしたのと、自分の見方が唯一無二のモノでない事を、改めて確認しました。以降、謙虚に現実を見ようとしてます。
さて、ビットコインとブロックチェーンです。話が噛み合わない事が多いです。昨夜、識者達との会話から、ようやく気付きました。
- ビットコイナーは、分散型合意システムの実運用に深く衝撃を受けて、感動し、惹かれて、その成長にビジョンと熱意と期待がある。ただし、リスクを抱えている事は知っている。
- ブロックチェイナーは、分散型合意システムは無理筋で、統治者が必須と考えている。分散型合意システムに全く理解ない場合と、分散型合意システムを理解した上で、統治者なしでの運用は維持困難と気付いた場合、あるいは大組織なので分散型合意システムに賭け辛い場合などがある。
両者の隔たりを解消するには、実験データの積み重ねと検証が必要です。最後は市場が判断します。
ビットコインは、非常識なシステムです。マイナーが全世界に分散していて、発明者のサトシナカモトは匿名で不在。そんなシステムが、維持可能なのか、捨て石として終わるのか？それは、不確定な未来です。ただし、当事者の意思と能力次第である。また残念ながら、エセリウムは失敗しつつありますが、仮にビットコインが捨て石に終わっても、より改善された分散型合意システムが成功すると確信している。しかし、後継者はパブリックチェーンに限っていて、統治者のいるプライベートチェーンとは予測してません。
マイナーの分散はイメージしやすいですが、開発者分散の実態は、開発者にしか解りません。
Core開発は、集中化してます。もしUnlimitedのハードフォークが成功すると、開発者分散にも成功しますが、システムダウンする可能性もあります。その場合、7年の実績が終了します。
- ビットコインがスケールしてない現在の時価総額は$12B程度なので、このネットワークが全世界の金融を乗せるのは不可能です。あと2桁上でないと、法定通貨を乗せるには至りません。逆に言うと、レイヤー2が成功して、$1,000B程度になれば、ザ・グローバル金融インフラに育つ可能性あります。
- ブロックチェイナーは、ビットコインから、その肝であるPoWを抜き、中央管理者が統治可能な分散型レジャーを目指してます。それは、ビットコインが未だグローバル金融インフラとして成功してないので、現実的アプローチです。しかし、PoCを超えて、実社会で役立つには至っていません。実際、PoC以降に苦労しているのでは？と推測してます。一方で、マイクハーンの発言からは自信を感じます。https://soundcloud.com/epicenterbitcoin/eb-155
またJPX, IBMは当然プロフェッショナルです。http://www.jpx.co.jp/corporate/news-releases/0010/20161130-01.html
統治者がいても、その統治方法が適切ならば、腐敗する事なく、攻撃される事なく、運用に適当かもしれない。それはビットコイン原理主義者からは面白くなく見えるが、より常識的で現実的である。
1と2は、大前提が異なるため、話が噛み合わないが、お互いの大前提を理解すると、会話が出来ると気付きました。両者の健全な競合で、技術と社会は進化します。
以上