27Dec
11/25/2015 野口悠紀雄先生のフィンテック講義を聴講しました。
PayPalの時価総額は約6兆円で、みずほホールディングスと同程度。また米国のスタートアップであるレンディングクラブは時価総額が約1兆円(横浜銀行と同程度)。米国でSquare, Stripe, Apple Pay, Venmo等、フィンテック事業は盛んであり、既存金融業のパイを奪っている。従来、投資銀行は高給ゆえ優秀な学生を集めていたが、西海岸でIPO事例増えるにつれて、学生人気をWall街から奪っている。9月のマッキンゼー報告では、フィンテックスタートアップにより、今後10年で、銀行の利益60%、売上40%が失われると推測されている。
米国には、大規模フィンテック企業が複数あるのに、日本におけるPayPalは地味だし、フィンテック企業は小粒である。なぜ、この様な状況になっているのか、野口先生は不思議に思われて、調査されたとの事。
その結果、答えは、日本だとメガバンクが強過ぎる事、送金者業法で銀行業以外が送金可能になったが、金融庁対応が困難である事。つまり金融庁とメガバンクがフィンテックを潰しているらしい。
フィンテックは銀行業の存在を前提にするビジネスだが、ブロックチェーンは銀行業と関係なく動いている(分散型で規制困難)ので、日本でやるならば、ブロックチェーンと言われてました。
本質を語る貴重な講義です。http://www.waseda.jp/wnfs/movie/noguchi_lecture40.html
さて、この講義を聞きながら、私は考えたのですが、真に活気ある社会とは、規模の大小に関わらず、熱意、創意、能力が発揮される会社や個人から成る社会です。インターネット以前は、情報取得コストと情報交換コストが高かったので、大企業に優位あったが、インターネット以降は、情報取得及び交換コストが下がり、創意ある小企業のグローバルな連携の方が、大企業よりも価値が高くなってしまったと、最近の大企業の不調を見ながら感じました。
なお、野口悠紀雄先生の講義は、どれも面白くて貴重です。http://www.waseda.jp/wnfs/forum/forum1.html
以上