31Oct
10/30/2015(金)13時半〜16時半、ブロックチェーンセミナーに出席しました。http://blockchain.peatix.com/view
まず、志茂さんのブロックチェーン概要の説明。2009年〜現在に至るまで、ザ・ビットコインブロックチェーンが主流ですが、2015年はPermissioned Ledger(プライベートチェーン)が市場に参入を試みた年でした。
続いて、テックビューロ朝山社長、誠CBOからmijinとNEMのプレゼン。ザ・ビットコインブロックチェーンはグローバルに分散化されたノードから成っていて、最初の合意まで10分掛かるが、悪意ない管理されたノードから成るプライベートチェーンだと、処理スピードが飛躍的に上がり、ダウンタイムゼロで、システム開発・保守コストが飛躍的に下がる。銀行に使えるし、ゲームシステムの冗長化にも有効。nettingではなくて、settlementなので本質的に速い。また暗号技術、電子署名をフル活用するシステムは、従来の認証方法よりもセキュリティに強く、ユーザーインターフェイスにも優れている。
Orbからは妹尾取締役、斉藤チーフサイエンティストが登壇。斉藤さんは、PoW, PoS等の詳細をよく理解されており、また地域通貨にも詳しく、独自の技術・経済観を持たれている。またザ・ビットコインブロックチェーンに対する批判では国内第一人者である。その斉藤さんが、理論に留まらず、実ビジネスとしてOrbを立ち上げつつあるのは興味深い。
パネルは、志茂さん、妹尾さん、斉藤さん、誠さん、朝山さん。私からの質問「ザ・ビットコインブロックチェーンとプライベートチェーンは競合するか、協働するか?」に対して、朝山さんの回答は「企業内でプライベートチェーン、企業間でコンソーシアムチェーンを立ち上げるが、グローバルアセットとしては、ビットコインが一番便利であり、協働するだろう」との回答。
「従来型のクライアント・サーバーモデルに対して、プライベートチェーンの利点は?」に対する回答は、適材適所であり、クラサバが優れている部分もある。例えば、リレーショナルデータベースと価値移転に優れるブロックチェーンは根本的に構造が異なっており、ブロックチェーンが得意な分野はあるだろう。安いシステム、ダウンしても良いシステムにブロックチェーンは向かない。高価な金融システムを、安価なブロックチェーンで置き換えるのが、適当な使い方である。日本は地理的、言語的に孤立して守られてきたが、ブロックチェーンを利用するグローバル金融機関が参入すると脅威であり、逆にブロックチェーンを適切に利用すると機会であるとの事。
全般にinformativeで盛会だった。mijin, Orb, Bitcoinの競合あるいは協働は興味深い。
以上