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日本デジタルマネー協会 / ビットコイン / Bitcoin

Overview of Crypto Currencies as of 28Sep2014

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暗号通貨全般に関する考察

インターネット1.0でグローバルな情報流通コストが劇的に低減して、電子メール、Webブラウザ、検索エンジン、SNS、YouTube等、多様な情報プラットフォームが誕生した。

インターネット2.0の初めてのアプリケーションが、ビットコインで、グローバルな価値流通コストが劇的に低減しつつある。

ビットコイン2.0は、ビットコインの技術的要素を応用して、より多様な価値をグローバルに流通させる仕組みで、Namecoin, Mastercoin, Ripple, Stellar, Counterparty, BitSharesX, Ethereum, Storj, MaidSafe等が該当する。これらはインフラとしてのインターネット1.0を利用している点が、コスト的にdisruptiveで、もしインフラとしてインターネット1.0を利用していないビジネスモデルと競合した場合、前者が圧倒的に有利と理解している。

1.

まず、先行するRippleについて記述すると、Rippleというグローバルネットワークに、各国法定通貨、貴金属、マイル、ポイント等の価値を流通させる仕組みで、Gatewayが信頼出来る場合、非常に便利である。例えば、私があるGatewayに1,000円を振り込むと、Gatewayは1,000JPYを(インターネットを利用する)Rippleネットワーク上でグローバルに流通出来る。1,000JPYはGateway経由で1,000円の法貨に替わる。しかし、Gatewayが政府に没収されたり、経営破綻すると、1,000JPYは現金化出来なくなる。Gatewayが信用出来れば、大変便利なグローバル決済ネットワークである。Rippleは仕組みが複雑だが、習うより慣れるのが簡単。銀行自体がGateway業務をやる事が望ましいが、現時点で円に関して東京JPY発行所が信頼出来る。https://tokyojpy.com/

2.

BitSharesXの場合、BTSXを担保としたbitUSDを作っていて、1USD=1bitUSDとなる様な仕組みをソフトウェアで作り込んでいる。bitUSDはインターネットを流通するので、クレジットカードより便利と開発者側は説明しているが、現時点では1bitUSDが0.9022USDなので、まだ開発者の意図は達成されていない。Gatewayを持たず、decentralizedな仕組みである点が、Bitcoinと類似している。以下を聞くと開発者の自信が伝わる。https://soundcloud.com/search?q=bitshares

bitUSDの現金化は、以下で確認可能。https://bter.com/trade/bitusd_usd

Project Douglasの弁護士プログラマーは、bitUSDはBTSXの値上りを前提としているとして批判中。http://prestonbyrne.com/2014/09/06/you-must-be-goddamned-kidding/

3.

個人的にRippleとBitSharesXを利用した法定通貨の流動性を検討してきたが、東京のBitcoiner達にも意見を求めた。東京のBitcoinersは実力者(有名投資家、ハッカー、学識者)が複数いて、彼等の意見は拝聴に値する。総じて、2.0にはnegativeで、Bitcoinが広く普及すると、XJPYやbitJPYは不要との意見が多数であった。

4.

Counterpartyの場合は、ビットコインのブロックチェーンを利用したJPY#XCPを運用可能だが、Ripple同様のGatewayが必要と思われる。

5.

これらの競合状況の判断は難しい。ビットコイン以前の常識から考えると、組織トップのリーダーシップが重要と考えがちだが、ビットコインの場合、サトシナカモトは論文発表とbitcoindの初期版を開発後、姿を消していて、リーダー不在でも世界各国の開発者は自由に開発を続けて、実世界に利便性を提供中で、擬似的なグローバル組織は各3rd partyの集合体として機能している。世界初のDistributed Autonomous Organizationである。ライトコインは発明者明快で、有能な人物だが、ビットコインに追い付く気配はない。https://www.cryptocoinsnews.com/bitcoin-africa-success-story-tunisian-entrepreneur/

むしろ、いかに優秀な第3者を開発者として、グローバルに巻き込めるかが、より重要である事が、ビットコインの成功から伺える。

ビットコインがgood enoughで勝ち続ける可能性は依然残っているが、Ripple, Stellar, Counterparty, BitSharesX, Ethereumが優秀な開発者を惹き付けて、ユーザーに実利をもたらせば、ビットコインを超える大衆的人気を得て、クリティカルマスを超える可能性もある。Ripple, Stellar, Counterparty, BitSharesX, Ethereum等の間の競争は複雑系の競争で、予測困難だが、市場が判断中であり、市場価値は将来への期待を含む現在価値と考える。

以上

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