4Feb
昨年まではビットコインはある意味遊びでしたが、今年にはいってからのビットコインの高騰や、トレードサイトでのトレードで、ビットコインユーザーに税務申告の話がでているという記事がありました。(Bitcoin Holders Face Uncertainty Over Tax Returns)
問題は、この取扱や方針について、明確な方針がしめされていないこととだと言えます。米国もそうですし、日本もそうです。
基本的には、ビットコインは、通貨なのか、それとも金などの貴金属のような投資資産なのか、その点がクリアになっていません。
さらに、ややこしいのが、ビットコインの採掘です。採掘でビットコインを手にする場合、無料でビットコインが手に入るように見えますが、実際には採掘かかる機械のハードウェアや電気代がかかっています。
“It’s not that easy to understand,” said Yana Kesler, a certified public accountant from Philadelphia, who bought a $7,200 mining rig with her husband last year, spent $2,200 for hosting services and generated about 50 bitcoins. She then needed to decide how to report the income and how to deduct the expenses. Was this activity a business? An investment? A hobby?
フィラデルフィアに住む会計士は、7200ドルで採掘用の機械を買い、2200ドルを電気代などに費やして、50ビットコインを得ました。(=約40,000ドル相当)。彼女は、これをどう申告するべきか決断を迫られています。収入はどれで、費用はなんなのか、これ事業なのか、投資なのか、それとも趣味なのか?
また、実際に申告する場合、どの時点で収益があったとみなすのかは難しいところです。採掘で手に入れた場合、その時点では課税は発生しないようにも見えますが、それに対して現実のお金で採掘費用が出費されています。これはどう計算すのでしょうか。
また、採掘で手に入れたり、昨年に$10程度で手に入れた、コインを使った場合、差額は課税されるのでしょうか。$10で手に入れたビットコインをつかって、$1000ドル相当のコンピューターを買ったとします。ビットコインが通貨であれば、課税はされないように思いますが、もし金などの資産だとすれば、物々交換とみなされます。$10で手に入れたものを、$1000ドル相当のものと交換すれば、$900ドルの所得税が課税されるようにも思われます。
これは極めて煩雑です。どのコインをどの価格で手に入れたのかを厳密に管理しておく必要があるからです。
“We don’t have any guidance from the IRS, so every position you take is a gamble. If you’re risk averse, take the most conservative approach, pay more taxes than you possibly should just so you’re safe, and know you can get a refund in the future.”
“米国歳入庁からはなんのガイダンスもありません。どのように申告するにしろ、ギャンブルになります。リスクを避けるなら、もっとも保守的に申告して、たくさん税金をおさめておいたほうがいいでしょう。将来、それは(過剰申告として)取り戻せるのですから”
ビットコインについては、税務申告を助けるサイトを作る人もいるようです。
bitcoin tax infoによれば、次のような申告方針を進めているようです。
・ビットコインは、金などと同じような実物資産である(税務当局が通貨であると言わない限り)
・ビットコインをドルなどの法貨に両替した場合には、キャピタル・ゲインとして税を払う
・ビットコインで物をモノやサービスを買った場合、交換取引とみなして、所得税を支払う
・採掘で得たビットコインは、コストゼロで手に入れたものとみなす
・ビットコイン採掘に投じた機材などの費用は、事業の費用として計算する
今のところ、これがもっとも保守的な申告方法だといえるようです。