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日本デジタルマネー協会 / ビットコイン / Bitcoin

ビットコインにまつわる5つの誤解

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ビットコインについては、技術や仕組みの理解が進んでいない中、マネロンの話や麻薬との結びつきなどわかりやすいネガティブ報道が多く、誤解が多いようだ。

そこで、いくつかの基本的なことを確認したい。

1. ビットコインは円天と同じ(で詐欺だ)

ビットコインは、誰かが発行しているものではないし、発行の主体があるわけではない。オープンソースのソフトウェアであり、プロトコルである。

その仕様と、ソースコードは公開されており、誰もが内容を検証できる。疑わしいことが仕組まれていれば、誰かが指摘するだろう。

ビットコインの取り組みは壮大な実験であり、結果的に失敗に終わってしまうこともあるかもしれない。しかし、それはビットコインが詐欺だったということではない。

2. ビットコインは中央銀行の裏付けがない。何によっても保障されていない。(だから価値がない)

そのとおりだが、その保証する主体が誰かによる。

いわゆる国が発行するお金は、国の信用(=納税者の税金)によって担保されている。

しかし、アルゼンチンや、キプロスのような国では、その国の信用が失墜していて、国民は、ペソやキプロス国債を手放し、ビットコインを買い求めた。

裏付けをする仕組みがあるかが大事なのではなく、だれが裏付けているかが大事なのである。

たとえば、北朝鮮政府の裏付けがあるウォンと、世界中のインターネットユーザーが受け入れるという方向のビットコイン。どちらが価値があるだろうか。わたしは、ビットコインを受け入れる。

極端なことをいえば、円天だって、発行元の裏付けがあったではないか。

もちろん、ビットコインより信用度の高い通貨があることは否定しようもない。ドルの基盤は強固であり、当たり前だがビットコインよりも安定している。一方で、ビットコインよりも価値がないとみなされている国の通貨もあるということだ。

つまり、通貨とは、受け入れる人がいることが全てであって、みんながそれを価値があるとおもうかどうかが通貨である第一の基準なのだ。

定義が逆なのである。価値があるとみんなが思ったものが通貨になる。巨石であれ、金であれ、ドル紙幣であれ、ビットコインであれ。

3. ビットコインはセキュリティのリスクが多い

ビットコインの仕組み自体は、セキュアだ。非常にセキュアで、これをハックするというのは極めて困難を伴う。もしビットコインは公開鍵暗号システムとハッシュ関数を拠り所としている。これがハックできるならば、いま世界中で使われている公開鍵暗号システムが破られるという状態であり、ビットコインどころではなくあらゆる通信システムやインターネットの通信、クレジットカードなどの取引に問題が生じる。これらもすべて公開鍵暗号と、ハッシュ関数の値に信用をおいているからだ。

問題は、ビットコイン自体の仕組みではなく、その周りの環境にある。

例えば、オンラインのビットコイン財布にあずけていたコインがハックされて盗まれたり、さらにひどい場合は、オンライン財布の運営者がドロンしたりといった具合だ。

コインの技術的な仕組みは非常にセキュリティが高いが、それを運用する仕組みには詐欺やセキュリティーホールがたくさん存在している。これが解消されなければ、一般の人が安心して使えるようにはならないというのは確かであり、大きな課題であるとともに、政府のレギュレーションづくりによってリードされるべきところであろう

4. ビットコインという数列やファイルなどの実態が存在する

これが、ビットコインです。という数列や、数字、PC上のファイルといったものが存在するわけではない。

ビットコインというのは、簡単に言うと、世界中で唯一正しいの取引台帳を共有する仕組みだ。その取引台帳に、誰がいくらのビットコインの残高があり、誰にどのくらい送ったか、という取引の記録がすべて記録されている。

それを参照することで、各自のビットコイン残高が、だれにも偽造できないかたちで参照できる、というのがビットコインの仕組みである。

これがビットコインですという、数列や、文字列、ハードウェア上のファイルというものがあるわけではない。

5. ビットコインは、違法であり、アメリカはこれを規制する

国によって対応が違うのは確かである。

NY州のスタンスを見ると、その規制の方針は明確だ。先日のNY州の公聴会でも、ビットコインそのものが違法であるという見解は示されなかった。

ただし、ビットコインをつかったマネーロンダリングや麻薬取引といった行為があれば、ビットコインだからといって見逃しはしない。通常と同じく、取り締まるということだ。

包丁は便利なものだが、それをつかって殺人をすれば捕まる。

NY州の考え方では、新しい包丁は便利なものであり、イノベーションであるとしている一方、それをつかって殺人事件を起こせば取り締まるといっている。

そして、殺人事件を助長するような包丁にならないようなルール作りをするとの方針だ。

殺人事件がおこったから、包丁は禁止、といったような臭いものはすべて蓋をしろという日本みたいな考えには陥っておらず、合理的で、分別がついている。

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